「きゃぁ、名前で呼ばれちゃった。私も健一って呼んでるし、これで平等だね」
「あぁそうなのかな……」
「ねぇ、健一、これから暇?」
時刻は午後四時。
俺は最後の講義を終え、後は帰るだけだった。いつもなら、直ぐに瑞希の家に行くのだけれど、今日の瑞希はまだ講義があるから、直ぐに彼女の自宅には行けない。となると、まぁ暇になるわけだ。
「少しくらいなら暇だけど」
「少し? それどういう意味?」
「いや、大学終わったら大体瑞希の家に行くからさ」
「へぇ、そうなんだ。ラブラブじゃん」
「そんなんじゃないよ」
「でもさ、今日は私に付き合ってよ。少しでいいから」
「付き合うって、どこか行くのか?」
「う~ん、本当は横浜まで出たいんだけど、時間ないなら、金沢八景でいいよ」
俺たちの大学の最寄り駅は、京浜急行線の金沢八景駅だ。何か変な名前の駅だけど。俺は少し気に入っている。
金沢八景駅の周りは、正直言って何もない。強いて言えばダイエーがあるくらいだ。金沢八景から、シーサイドラインという電車に乗ると、八景島シーパラダイスというテーマパークがあるけれど、今から行くような場所じゃない。
「八景の周りに何かあるの?」
「カフェくらいならあるでしょ。そこ行こうよ」
「えぇ、どうしようかなぁ。参ったな」
「いいじゃん。友達なんだし、せっかく同じサークルに入ったんだから少し話しようよ」
まぁ、少しくらいならいいか。
俺はそんな風に考えた。確かに俺はサークルに入ったけれど、必要最低限の付き合いしかしていない。これでは、暗黒の高校時代とあまり変わらないではないか。
瑞希も大学に入って変わり始めていく。それなのに、俺だけ変わらないってのは、変な話だよね。そんなことがあって、俺は優奈についていった。
金沢八景駅は、正直小さい。
小ぢんまりとした駅である。神奈川県の横浜はかなりデカい街で、迷ってしまうけれど、電車に乗って少し離れれば、小さな町が広がっている。金沢八景も、そんな小さな町の一つである。
駅前は、俺たちのような大学生だらけだった。この駅の周りには、俺たちが通う大学以外何もない。まぁ会社とかもあるかもしれないけれど、俺はよく知らないよ。だからね、基本的に金沢八景駅は大学生で溢れているんだよね。
「あぁそうなのかな……」
「ねぇ、健一、これから暇?」
時刻は午後四時。
俺は最後の講義を終え、後は帰るだけだった。いつもなら、直ぐに瑞希の家に行くのだけれど、今日の瑞希はまだ講義があるから、直ぐに彼女の自宅には行けない。となると、まぁ暇になるわけだ。
「少しくらいなら暇だけど」
「少し? それどういう意味?」
「いや、大学終わったら大体瑞希の家に行くからさ」
「へぇ、そうなんだ。ラブラブじゃん」
「そんなんじゃないよ」
「でもさ、今日は私に付き合ってよ。少しでいいから」
「付き合うって、どこか行くのか?」
「う~ん、本当は横浜まで出たいんだけど、時間ないなら、金沢八景でいいよ」
俺たちの大学の最寄り駅は、京浜急行線の金沢八景駅だ。何か変な名前の駅だけど。俺は少し気に入っている。
金沢八景駅の周りは、正直言って何もない。強いて言えばダイエーがあるくらいだ。金沢八景から、シーサイドラインという電車に乗ると、八景島シーパラダイスというテーマパークがあるけれど、今から行くような場所じゃない。
「八景の周りに何かあるの?」
「カフェくらいならあるでしょ。そこ行こうよ」
「えぇ、どうしようかなぁ。参ったな」
「いいじゃん。友達なんだし、せっかく同じサークルに入ったんだから少し話しようよ」
まぁ、少しくらいならいいか。
俺はそんな風に考えた。確かに俺はサークルに入ったけれど、必要最低限の付き合いしかしていない。これでは、暗黒の高校時代とあまり変わらないではないか。
瑞希も大学に入って変わり始めていく。それなのに、俺だけ変わらないってのは、変な話だよね。そんなことがあって、俺は優奈についていった。
金沢八景駅は、正直小さい。
小ぢんまりとした駅である。神奈川県の横浜はかなりデカい街で、迷ってしまうけれど、電車に乗って少し離れれば、小さな町が広がっている。金沢八景も、そんな小さな町の一つである。
駅前は、俺たちのような大学生だらけだった。この駅の周りには、俺たちが通う大学以外何もない。まぁ会社とかもあるかもしれないけれど、俺はよく知らないよ。だからね、基本的に金沢八景駅は大学生で溢れているんだよね。