そもそもね、瑞希と優奈は、タイプが違うとか、全然似てないんだよ。友達ってさ、どこか近いタイプが一緒になる気がしないかい? もちろん、タイプが違う方が、惹かれ合うっていうケースもあるかもしれないけれど、普通は同じ趣味や考え方の人間が一緒になるような気がするよ。
だけどね、瑞希と優奈はあまりに違いすぎた。どちらかというと、優奈は亡くなった橘花恵に似ているような気がするよ。つまり、スクールカースト上位の存在。
根本的に俺たちとは違うんだ。俺は、それを察していて、瑞希も気づいていると思っていたよ。でもね、瑞希は初めてできた友達に有頂天になっていて、優奈という人間の本質に気づいていないようだった。
「私、優奈ちゃんの友達だもん。だから、手伝うの」
「そう……か……、まぁほどほどにしろよ。やっぱり宿題って自分でやらないと身にならないから」
「うん。そうだよね、今度言ってみる」
俺は、その日は瑞希と別れた。
だけど、翌日俺は優奈の衝撃的な発言を聞いてしまうんだ。全く、瑞希はどこまで不幸なんだろう。多くの受難を背負っている。せっかくできた友達なのに。
「瑞希だっけ、あの子に頼めば、宿題やってくれるよ。私、かなり助かってるし」
学食の一角で優奈が友達らしき人間と一緒に居た。その中に、瑞希の姿はない。俺は混雑する学食の中で、彼女の話を聞いていた。
「友達だよね、っていったら、なんでもやってくれるの。まぁかなり天然なとこがあって、正直ウザいかなって思う時もあるけど、宿題してくれるし、友達のフリしとけば、色々役に立ちそうだしね。でもね、本当ウザいの。ファッションとか、私の真似だし。とにかくしつこく聞いてくるし、メイクも下手くそなのに、私の真似しようとして躍起だしね。ウケるっていうか、最近、かなりウザく感じてる」
あはは、と下品に笑い合う女子集団。
俺は愕然としてしまったよ。優奈が友達だと思っていた人間は、実は友達でも何でもなかった。瑞希をいいようにこき使う、悪魔のような人間だったのだ。
これを、瑞希に言うべきか?
否、言えないよ。
言えば、瑞希の友情を最悪の形で打ち砕いてしまう。でも、言わないと。言わないと、瑞希が傷ついてしまう。でもさ、何て言えばいいんだ? 俺には都合のいい答えが、全く思い浮かばなかったよ。
「瑞希、サークル辞めないか?」
だけどね、瑞希と優奈はあまりに違いすぎた。どちらかというと、優奈は亡くなった橘花恵に似ているような気がするよ。つまり、スクールカースト上位の存在。
根本的に俺たちとは違うんだ。俺は、それを察していて、瑞希も気づいていると思っていたよ。でもね、瑞希は初めてできた友達に有頂天になっていて、優奈という人間の本質に気づいていないようだった。
「私、優奈ちゃんの友達だもん。だから、手伝うの」
「そう……か……、まぁほどほどにしろよ。やっぱり宿題って自分でやらないと身にならないから」
「うん。そうだよね、今度言ってみる」
俺は、その日は瑞希と別れた。
だけど、翌日俺は優奈の衝撃的な発言を聞いてしまうんだ。全く、瑞希はどこまで不幸なんだろう。多くの受難を背負っている。せっかくできた友達なのに。
「瑞希だっけ、あの子に頼めば、宿題やってくれるよ。私、かなり助かってるし」
学食の一角で優奈が友達らしき人間と一緒に居た。その中に、瑞希の姿はない。俺は混雑する学食の中で、彼女の話を聞いていた。
「友達だよね、っていったら、なんでもやってくれるの。まぁかなり天然なとこがあって、正直ウザいかなって思う時もあるけど、宿題してくれるし、友達のフリしとけば、色々役に立ちそうだしね。でもね、本当ウザいの。ファッションとか、私の真似だし。とにかくしつこく聞いてくるし、メイクも下手くそなのに、私の真似しようとして躍起だしね。ウケるっていうか、最近、かなりウザく感じてる」
あはは、と下品に笑い合う女子集団。
俺は愕然としてしまったよ。優奈が友達だと思っていた人間は、実は友達でも何でもなかった。瑞希をいいようにこき使う、悪魔のような人間だったのだ。
これを、瑞希に言うべきか?
否、言えないよ。
言えば、瑞希の友情を最悪の形で打ち砕いてしまう。でも、言わないと。言わないと、瑞希が傷ついてしまう。でもさ、何て言えばいいんだ? 俺には都合のいい答えが、全く思い浮かばなかったよ。
「瑞希、サークル辞めないか?」