彼女がいたから、俺はここまでやってこれた。二人でいられたから、辛い時間だって、それほど辛いとは感じなかったんだよね。
大学に入って、俺が少しずつ変わり始めたように、瑞希も変わり始めたよ。彼女には、友達ができたんだ。同じサークルの女の子で、名前は、佐々岡優奈。彼女は、一人暮らしてではなく、実家から通っていた。俺たちが進学した大学は、決して有名ではない。だから、この優奈って女の子も、あんまり頭がいいわけではなくて、むしろかなりのバカだったよ。俺たち以上にね。
「健君。私、友達できた」
「んんん。よかったじゃん。友達欲しがってたし」
「うん。健君も知ってるよ」
「誰?」
「優奈ちゃん……」
「そか……、いい友達になるといいな」
「うん。そうだね」
俺たちは大学に進学してからも、常に一緒に居たよ。サークル活動は毎日あるわけではない。主に、週末に集まって、飲んだり喋ったりする、緩い集まりだ。その緩さが、俺には何となくあっていたってわけ。多分、瑞希も心地よさを感じていると思うよ。
それで、俺たちは平日、授業を終えると、大体どちらかの家に行き、夕食を一緒に食べた。大学の帰りにスーパーに寄り、夕食の買い出しをして、それで何か作って食べるのだ。瑞希はクックパッドで料理のメニューを見て、色々な食事を作ってくれたけれど、いつしか、大抵鍋になった。
手軽だし、野菜もたくさん食べらるし、それに食費もそんなにかからない。だからね、俺たちは季節問わずに鍋を食べていたってわけ。それで、十分満足していたよ。あぁ、幸せだった。この幸せが、ずっと続けばいい。俺はそんな風に思っていたよ。
瑞希は、内面だけでなく、外見も変わり始めた。彼女は、高校時代ほとんど化粧をしなかった。精々、色付きのリップを塗るくらいで、化粧っけはなかったんだ。でもね、大学に進学し、優奈と出会ってから、彼女は化粧を覚えた。
そもそも、優奈っていう子は、かなりオシャレに敏感な女の子で、何て言うのかな、女性ファッション誌の読者モデルみたいな子だったんだよ。
だからね、瑞希はどんどん影響されていった。化粧を覚え、ファッションにも気を使うようになった。高校時代は、ファストファッションばかり着ていて、そんなにオシャレじゃなかったけれど、若い女の子に人気のブランドを着たりして、少しずつ変わっていったよ。
大学に入って、俺が少しずつ変わり始めたように、瑞希も変わり始めたよ。彼女には、友達ができたんだ。同じサークルの女の子で、名前は、佐々岡優奈。彼女は、一人暮らしてではなく、実家から通っていた。俺たちが進学した大学は、決して有名ではない。だから、この優奈って女の子も、あんまり頭がいいわけではなくて、むしろかなりのバカだったよ。俺たち以上にね。
「健君。私、友達できた」
「んんん。よかったじゃん。友達欲しがってたし」
「うん。健君も知ってるよ」
「誰?」
「優奈ちゃん……」
「そか……、いい友達になるといいな」
「うん。そうだね」
俺たちは大学に進学してからも、常に一緒に居たよ。サークル活動は毎日あるわけではない。主に、週末に集まって、飲んだり喋ったりする、緩い集まりだ。その緩さが、俺には何となくあっていたってわけ。多分、瑞希も心地よさを感じていると思うよ。
それで、俺たちは平日、授業を終えると、大体どちらかの家に行き、夕食を一緒に食べた。大学の帰りにスーパーに寄り、夕食の買い出しをして、それで何か作って食べるのだ。瑞希はクックパッドで料理のメニューを見て、色々な食事を作ってくれたけれど、いつしか、大抵鍋になった。
手軽だし、野菜もたくさん食べらるし、それに食費もそんなにかからない。だからね、俺たちは季節問わずに鍋を食べていたってわけ。それで、十分満足していたよ。あぁ、幸せだった。この幸せが、ずっと続けばいい。俺はそんな風に思っていたよ。
瑞希は、内面だけでなく、外見も変わり始めた。彼女は、高校時代ほとんど化粧をしなかった。精々、色付きのリップを塗るくらいで、化粧っけはなかったんだ。でもね、大学に進学し、優奈と出会ってから、彼女は化粧を覚えた。
そもそも、優奈っていう子は、かなりオシャレに敏感な女の子で、何て言うのかな、女性ファッション誌の読者モデルみたいな子だったんだよ。
だからね、瑞希はどんどん影響されていった。化粧を覚え、ファッションにも気を使うようになった。高校時代は、ファストファッションばかり着ていて、そんなにオシャレじゃなかったけれど、若い女の子に人気のブランドを着たりして、少しずつ変わっていったよ。