「健君もシャワー浴びてきて。場所、わかるよね?」
「うん。まぁわかるけど」
「タオルも勝手に使っていいからね」
「わかった」
 ここまで来たら、最早覚悟を決めるしかない。俺は瑞希を抱く。それでいいじゃないか。
 俺は瑞希と入れ違いになってシャワーを浴びに行く。昔、その、昔の話だよ。小学生くらいの時、この家のお風呂に入ったことがある。あれはまだ、ちんぽに毛が生えていない時の話だ。あぁ、懐かしい記憶だよ。
 浴室に入り、俺はシャワーを浴びる。温度はしっかり調節されているようで、心地いい温度のお湯が出てくる。シャンプーやボディーソープなどもたくさんあったが、俺は適当に選んで使ったよ。
 興奮……。してるのだろうか?
 よくわからないな。童貞を卒業する時、男ってどんなことを考えるんだろう? 確かに俺も男だからエロいことは好きだ。エロいDVDだって観るし、興味はある。
 シャワーを浴び終わり、タオルで身体を拭いて、同じ服を着る。泊まる準備はしていないから、同じ服を着るしかない。洗面所にドライヤーがあったから、軽く髪を乾かす。それが終わってから、俺は彼女のいる部屋に戻る。
 部屋に入ると、瑞希がベッドの上で座り込んでいた。それは、どこか妖艶な感じがして、俺を興奮させていく。何というか、ドキドキするんだよ。こんな経験は、きっとこの先もすることはないだろう。童貞の今だからこそ、きっと感じるんだ。
「健君……」
「瑞希……」
「こっちおいでよ」
「あぁ」
 俺は瑞希のいるベッドの上に乗る。
 すると、瑞希が俺に抱き着いてきた。ふんわりと、いい香りがする。香水はつけていないみたいだけど、軽くボディーソープの香りがして、体臭と入り混じっている。
「瑞希、イイのか?」
「うん。いいよ。健君だから」
「わかった」
 俺は、瑞希に優しくキスをする。そして、その勢いを利用して、彼女をゆっくりと押し倒す。緊張はピークに達している。心臓が割れそうだ。おいおい、勢いで押し倒したけれど、この先どうすればいいんだ? AVとは違うんだ。もっと大切に扱わないと。
 上着を脱ぎ、瑞希のラウンジウェアを脱がす。シンプルなレースの施された白のショーツが露になり、俺の興奮も高まっていく。
「瑞希……、好きだよ……」
「んんん。私も、健君が好き……」
 俺たちは、こうして結ばれた。