西船見町というところにあり、俺たちの高校がある万代からは結構距離がある。大体、バスで二十分くらい。だから歩いては行けないよね。
「時間大丈夫かな?」
「五時までだよ」
「今四時だからギリギリだな。でも行くか?」
「うん。行きたい」
俺たちは、新潟駅のバスターミナルへ行き、そこからマリンピア日本海行のバスに乗る。こんな時間に水族館に行く人間はあまりいないだろう。だから、バスは結構空いていた。一番後ろの席に座り、ガタガタと揺られ始めた。
「健君、お魚好き?」
「俺? 嫌いじゃないけど。食べるのは好きだけどね」
「うん。昔さ、健君とマリンピア日本海行ったことがあるんだよ。覚えてる?」
淡い記憶が脳裏をよぎる。
確か、幼稚園くらいの時に、一緒に行ったような覚えがあるよ。だけど、詳しい内容は全く覚えていない」
「幼稚園の時だっけ」
「そう。健君、イルカショーでイルカと握手したくて、皆の前で手を上げたんだけど、選ばれなくて泣いたの。それ、私覚えてる」
そんなことあったっけ?
俺は記憶を巻き戻す。だけど、靄がかかっているようで、上手く思い出せなかった。
「流石に、この時間じゃイルカショーは終わってるよ」
「イルカショーはまた今度にすればいいよ。イルカ以外にもたくさん見るところがあるし」
「そうだな」
こんな風にして、俺たちは話ながらマリンピア日本海へ向かった。
夕暮れのマリンピア日本海はかなり閑散としていた。平日だし、夕方だし、五時までだし。俺たちが着いた時、既に四時半を過ぎていたから、これから水族館へ行くという人間は、俺たち以外誰もいなかったんだよね。
受付でチケットを買う。高校生以上は千五百円。結構な出費だ。でも、瑞希と一緒に居られると思えばやすいよね。本当は出してやりたかったけれど、俺にはそんな金がないからしっかり割り勘で入館した。
あまり時間がないから、すべてを見ては回れない。さて、どこを見るべきか?
「瑞希、何が見たい?」
「う~ん。ペンギン」
「じゃあペンギンみようか」
マリンピア日本海にはペンギン海岸という一角があり、そこに七十頭くらいのフンボルトペンギンがいるのだ。これが結構可愛くて、ペタペタと歩いているんだよね。
「時間大丈夫かな?」
「五時までだよ」
「今四時だからギリギリだな。でも行くか?」
「うん。行きたい」
俺たちは、新潟駅のバスターミナルへ行き、そこからマリンピア日本海行のバスに乗る。こんな時間に水族館に行く人間はあまりいないだろう。だから、バスは結構空いていた。一番後ろの席に座り、ガタガタと揺られ始めた。
「健君、お魚好き?」
「俺? 嫌いじゃないけど。食べるのは好きだけどね」
「うん。昔さ、健君とマリンピア日本海行ったことがあるんだよ。覚えてる?」
淡い記憶が脳裏をよぎる。
確か、幼稚園くらいの時に、一緒に行ったような覚えがあるよ。だけど、詳しい内容は全く覚えていない」
「幼稚園の時だっけ」
「そう。健君、イルカショーでイルカと握手したくて、皆の前で手を上げたんだけど、選ばれなくて泣いたの。それ、私覚えてる」
そんなことあったっけ?
俺は記憶を巻き戻す。だけど、靄がかかっているようで、上手く思い出せなかった。
「流石に、この時間じゃイルカショーは終わってるよ」
「イルカショーはまた今度にすればいいよ。イルカ以外にもたくさん見るところがあるし」
「そうだな」
こんな風にして、俺たちは話ながらマリンピア日本海へ向かった。
夕暮れのマリンピア日本海はかなり閑散としていた。平日だし、夕方だし、五時までだし。俺たちが着いた時、既に四時半を過ぎていたから、これから水族館へ行くという人間は、俺たち以外誰もいなかったんだよね。
受付でチケットを買う。高校生以上は千五百円。結構な出費だ。でも、瑞希と一緒に居られると思えばやすいよね。本当は出してやりたかったけれど、俺にはそんな金がないからしっかり割り勘で入館した。
あまり時間がないから、すべてを見ては回れない。さて、どこを見るべきか?
「瑞希、何が見たい?」
「う~ん。ペンギン」
「じゃあペンギンみようか」
マリンピア日本海にはペンギン海岸という一角があり、そこに七十頭くらいのフンボルトペンギンがいるのだ。これが結構可愛くて、ペタペタと歩いているんだよね。