思い出して泣き、悲しくて泣く。この繰り返しで部活も思い通りにプレーもできず、テストにも集中出来ず全部なにも出来ない。心にぽっかり大きな穴が空いたように少しのやる気も出なかった。そんなとき私は気晴らしの一つになるよう、あるSNSをはじめた。私はふと思いついた。そこで私に似た人がいないか検索をかけた。「名前 コンプレックス」すると、私と同じような事例の人が出てきた。そこで私に一番似ていた人のアカウントを開いた。「悠月」で「はづき」と読む。つまり名前は女子のようで、漢字を見ると男子とわかる。私と逆のパターンだった。
しかし私と違う点が一つだけある。悠月さんは笑っていた。明るそうにしていて、見るだけではコンプレックスになっているとは分からず、悲しみ嘆く私の様な様子ではなかった。なぜそのように生きれるのだろうか。単純にそう思った。そして、一秒でもはやく会いたい。叶わない願いだと分かっていてもそう思った。そして早速DMをしてみた。手が勝手にアカウントをフォローしていてDMを送っていた。
「私も悠月さんのような境遇にあっています。ぜひ会ってお話がしたいです。もしお時間よろしければお返事ください。」
こんな文章で会ってもらえるのか。ぜひとも会いたい。今までの自分を変えるために。これからは自分を大切にしていけるように。するとすぐ既読が付き、入力中という表示が出た。「結構既読がはやい人なんだな。」と思っていると返事が来ていた。
〈ぜひとも僕で良ければ会わせてください!
今から会うことが楽しみです。ご連絡ありがとうございます。またお返事ください。〉
おぉ。早速叶うなんて思ってもいなかった願望が叶ってしまった。驚きを隠せない。
〈ありがとうございます。私も会えると思うと嬉しいです!〉
などと会話を続け来週の日曜にあるファーストフード店で会うことになった。その時点から私の心は踊っていた。