「っ…ありがとう。私、これから精一杯頑張ります」
昨日たくさん泣いたはずなのに、また涙は溢れてきて。
私は一生懸命頑張ろう、そして、絶対夢をかなえる、と心に誓ったのだった。


「ああ、楽しみすぎてやばい！！」
花火大会の前日。買ってもらった浴衣を見ながら一人部屋で舞い上がっていた。
『あのね、明日ね。彼氏と花火大会に行きたいんだけど…』
そう話したのが今日の昼頃。
『か、彼氏……！？』
『あ』
お母さんにもお父さんにも千波くんのことを伝えていないことを思い出して、私はお母さんに説明した。
『奈央の表情が最近生き生きしてたのは、洋服のデザインの話だけじゃなくて、そういうことね』
と納得してくれた。そして、お母さんはぱっと顔を輝かせて
『そうだ！ねぇ、浴衣買わない？』
と言ってくれたのだ。明日はお母さんが着つけてくれるらしい。
「奈央ー、早く寝ないと明日起きられないよ」
お母さんのそんな声が聞こえて私はベッドの上に仰向けに寝っ転がって目を閉じた。