私が頷くと千波くんは、荷物をまとめた。
「はやく行こ」
「えっ?あ、はい!」
私は千波くんの後に続いて、教室を後にした。


「何がいい?」
「私は…何でも。じゃあ一番安いもので」
「なにそれー、遠慮しなくていいって」
「えぇ?」
そもそも友達とこうして放課後に遊んだことがないから、私はいつになく緊張していた。
「じゃあ、千波くんのおすすめで」
「あー…迷う。何にしようかな」
五分も悩んで千波くんに選んでもらったのは、チョコチップのアイスだった。
「……いただきます」
私と千波くんは店内のテーブル席に向かい合うように座る。
「どう?」
「美味しいです…!」
「よかった」
奢ってもらったアイスを食べながら私と千波くんは他愛ない話をした。
楽しかったけど、やっぱり頭の片隅にあるのは、私がこんなことをしてもいいのかという罪悪感で。
行動にも出ていたみたいで、
「奈央、どうした?時計しょっちゅう見て」
と訊かれた。