「俺、アクセサリーとか、プレゼントしたことないから、奈央の趣味にあってるかどうか分かんないけど」
千波くんは、また目線を外して恥ずかしそうに斜め下を向いた。
やっぱりそんな顔も含めて全部好きで好きでたまらなくて。
私はふと、そんな千波くんを見ながら前にどこかのネットに書いてあったことを思い出す。

【ネックレスには、『束縛』、『独占』という意味があります。『あなたのことを心から想っている』、『ずっと一緒にいてほしい』などのプレゼントを贈る際には、ネックレスは最適です】

「……私も、同じです」
千波くんに聞こえないくらい小さな声で私はそう返事をした。
なんだか、胸が温かかった。

「もうそろそろ今日はお開きか…」
まだ明るさも残る夕方六時過ぎ。
「…そうだね」
二人で並んで歩きながら、心の中では
『まだ帰りたくないなぁ、まだ一緒にいたい』
なんていう気持ちがとめどなく溢れてきて。