みんな、俺のことを勝手に想像してるだけだ。
別に、俺は「モテるやつ」、になりたいわけでもないし、特別優しいわけでもない。
かっこいい、わけでもなくて。そんなのは、勝手な考えだった。
他の男子は「いいよな、お前は」とか気楽に言ってくるけど、やっぱり俺にとって告白なんてものは、別に恋愛に興味もないので、ホントにただ鬱陶しい存在だった。というか、そもそも恋愛、というもの自体、鬱陶しくて。
奈央に、出会うまでは―—。

奈央に出会ってから俺には感じたことのない感情があふれ出てきて。
それが、恋、だと気づくまで、結構かかった。
それから気付いた。恋するって、こんな感情なんだなって。
辞書を引いても出なかった答え。
少し大げさかもしれないけど、奈央に出会ってから、俺の世界は変わった気がする。なんだか、色がついたような。それくらい、俺にとって奈央の存在は大きかった。
「……やっぱり告白、するか」
俺は、そう心に決めた。