『えー……海』
と言った。
『なんか、普通な気がするんだけど…』
『とりあえず、それっぽいタイミングでズバッと言っちゃえば大丈夫だって。意外とそういうのきゅんとくるらしいよ、女子には』
兄ちゃんはそこまで言うとどや顔を見せてきた。
『それ、どこ情報だよ』
『ん?ネット』
『だと思ったよ』

という結局ためになったのかなんて分からない会話と思い出しながら俺はとにかく考える。
「えーっと…確か奈央は…」
『あ、プラネタリウム』
と言っていた。そして、俺は丁度一週間前、買ったチケットを奈央に渡した。
「じゃあ、その後は…」
俺は、考えつくものをルーズリーフに書き込んでいく。


「よし、できた…!」
一時間もかけて、作ったプランは、プラネタリウムに行った後、ちょっと早めにカフェとかで、昼ご飯を食べて、奈央の行きたいところに行く。そして、最後に
『ちょっと寄りたいところがあるんだけど』
とか言って、東京湾が見られるところに行く、というものだった。