入ってきたのは、俺の兄、凪沙。
「……兄ちゃん、俺、分かんない」
その一言で兄ちゃんは、何かを察したかのように、ああ、と言った。
「大方、奈央ちゃんのことで悩んでるんだろ?」
「なんで、分かんの…?」
「だって、兄ちゃんだし。弟が突然あんな可愛い子連れてきて、しかもあんなに見てたら、そりゃあ気付くよ」
ホント、兄ちゃんってなんでもお見通しなんだなぁ、そんなことを思いながら兄ちゃんに俺は相談を始めた。

「要は、奈央ちゃんに告白したい、と」
兄ちゃんの言葉に俺はコクコクと頷く。
「そんなの、どストレートにズバッと言っちゃえばいいじゃん」
「……それができるか不安だから迷ってるんじゃん」
「えーっ、じゃあ…」
そう言って兄ちゃんが教えてくれたのは。

「海、か……」
俺はやっぱり考えがまとまらず、考える。

『やっぱ、ムードがいいところとか?』
『どこだよ、それ』
俺がそう訊くと、兄ちゃんは少し考えた後、