「お腹減ったね」
「何食べよ」
期末考査の後に行ったカフェのパンケーキも美味しかったけど、ここのパンケーキも美味しそうだ。
「じゃあ、私…」
と結局最後までパスタやサンドイッチなどと迷ったけど、またパンケーキにした。

「うわっ、すごい!美味しい…!」
「奈央ってホントパンケーキ好きだよな」
パンケーキを頬張る私を見て、千波くんは言う。
「そ、そうかな…?」
「うん、なんか、食べてるときの顔とか、幸せそう」
そういう千波くんは、今日はパスタを食べているらしい。
「…あ」
千波くんは、ふとこちらを向いて何かに気付いたような声を出すと、小刻みに型を震わせ始めた。
「え?あ…千波くん…?」
千波くんは、スマホのカメラを起動して、私を写真に収めた。
「え、ちょっ、何?急に」
「いや…これ」
千波くんが見せてきたスマホの画面に映るのは普通の私…じゃなかった。
鼻には、少量の生クリームが付いている。