「あ、千波くんの友人です。高城奈央と申します」
と会釈をして名乗った。
「千波の友達ね。俺、千波の兄です。水無瀬凪沙。いつも千波がお世話になってます」
「凪沙さん…ですね。こちらこそ、いつも千波くんには仲良くしてもらっていて…」
すごい……家大きいし、兄弟全員美男美女って。
全員なんかオーラ感じるなー、なんてことを思っていたが、やっぱり話してみると、千波くんみたいに、話しやすくて、温かかった。

「いただきます」
千波くんのお母さんが作ってくれた煮込みハンバーグをフォークで少し細かくして口の中に入れる。
「お味はどう?」
「美味しいです…!!ありがとうございます、私、少し数学教えただけなのに、ここまでしてもらって…」
「よかったー、お口に合って」
「母ちゃん今日は残り物でいいやって、朝言ってたのにね」
横で千波くんがそう言って笑う。
「何言ってんのよ、残り物だなんて、そんなのダメに決まってるでしょ。お客さんにそんなの出せるわけないじゃない」