「わたしね、考えてみた」


この前ユイくんが言ってくれた『何をするか』っていうことを。

正解のない問いを自分なりに考えて導き出してみた。

周りの目を気にして、他人に嫌われないように空気を読む。

自分さえ我慢すれば全てが丸く収まるなんて、そんなことあるわけがない。

そういう人が集まれば、他人の痛みや優しさに気づけず土足で踏みつけるような人は下のことなんて気にしない。
気づかない。

それは踏みつける上が悪いのか、上をつけあがらせる下が悪いのか。

結論、答えなんてない。

弱肉強食の世界。

弱いものは淘汰されるのは自然の摂理。

そうやって世界は回っている。
そうでないと回っていけない。

人間の世界も同じなんだ。


「やりたい放題できるのは誰かが我慢している上で成り立つものだと思う」
「うん」
「我慢し続けるのも、威張り続けるのもみんなの選択だよね」
「そうだな」
「けど、みんな仲良くできたら、それはたくさんの人が幸せになれる」
「みんな仲良しだと大多数は幸せだ」


わたしの微妙な言葉のニュアンスもしっかりとユイくんはわかってくれる。

ユイくんみたいな人がたくさんいたら、困って悩んでいる人のそばにいてくれたら、どれだけの人を救えるのだろうか。

こんな人になりたいと強く焦がれる。

だからこそ同時に、わたしには難しいと思い知る。