「莉緒の言う通り、心がこもっている言葉は伝わるよ。その言葉を道しるべにして」
「うん」
わかるよ。
ユイくんの言葉はいつでもわたしのことを思って言ってくれているということが。
だからこそ、本当に自分のことを思っている言葉とそうじゃない言葉の違いがよくわかるんだ。
ユイくんのせいだよ。
ユイくんのおかげだよ。
「これからどうなるのかな?まだ終わってないよね?」
「たぶん終わらない。きっとこれからも何度でも繰り返される。人間は同じ過ちを繰り返す生き物だから」
モヤモヤはまだ消えない。
気持ち悪さも残ったまま。
明日にならないとわからない。
「その時どう思うか、何をするかだな」
「何をするか……」
ユイくんの言葉を繰り返す。
わたしにはまだまだわからないことだらけなんだ。
全てを知った気になっていたけど、自分の気持ちさえわからないことがある。
闇が深くなる。
波の音は止まず響いていた。