「俺には何もできないんだよ……」
悲痛にもとれる言葉に、声に、胸を鷲掴みにされたみたいに苦しくなる。
ユイくんはわたしを支えてくれているのに『何もできない』なんて言うんだ。
今で十分すぎるほどたくさんしてもらっているのに、救われているのに。
……わたしが言わせてしまっているんだ。
ユイくんはわたしの言葉ひとつで、こんなにも怒って悲しんで苦しんで傷つく。
わたしもユイくんも、何も言わなかった。
微妙な空気のままドライブが終わったのは、今日が初めてだった。
歪んでいたのはずっと。
その歪みは次の日、爆発した。