大野くんに告白されてから数日後、ミライちゃんからの連絡がパタリとなくなった。

どれだけメッセージを送っても、どれだけ待ってみても返信はない。

そのまま夏祭り当日を迎えたけれどそれでも連絡はなかった。

どうするか迷った結果、元々決めてあった時間に待ち合わせ場所に行くことにした。

だけどいくら待ってもその日、ミライちゃんが来ることはなかった。

もしかして事故に遭ったか病気になったんじゃないかな。

悪い予感が頭を過ぎるけど、ミライちゃんとは学校ではいつも一緒でも家までは知らない。

スマホで連絡がとれなければ、ミライちゃんと繋がる方法は何ひとつないんだ。

その事実に少し悲しくなった。



悪い予感は拭いきれないまま不安だけが募り夏休みは明けて学校に行く。

教室に入れば机に座って談笑するミライちゃんの姿があり、元気そうでホッとした。

久しぶりにミライちゃんに会えて、不安な気持ちはすぐに消える。

祭りに来なかったことも連絡がとれなくなったこともどうでも良くなるくらい、元気そうなミライちゃんの姿に安心した。


「ミライちゃん、おはよう!久しぶりだね」


カバンも置かずに一直線に駆け寄るけど、わたしのほうをチラリと見ることもなく話を続けていた。

あれ?
聞こえてないのかな?
気づいていない?

……なんて、そんなわけないことくらいわかってる。

わたしもそこまで馬鹿ではない。

脈がおかしくなる。

体中が心臓になったみたいに、全身で嫌なリズムを刻み始めた。


「あの、ミライちゃ……」
「あーうざ」


勇気を振り絞ってもう一度声をかければ、今まで聞いたことのないくらい低く棘のある声で鋭利のように突き刺してきた。

反射で涙があふれそうになる。

やっとわたしのほうを見てくれたミライちゃんは敵意むき出しの顔で、目を逸らしたいのに固まってしまい目を逸らすことができない。

わたしと目が合うと大きく舌打ちをして鋭く睨んだ。