もうすでに、ひとりでは抱えられなくなっていたから。
この世界が終わることを祈るしかできなくなっていたわたしは、それをぶちまけたくなった。
今ならぶちまけてもいい気がした。
ジャージの色は学年カラーだから関係ないけど。
ユイくんの言葉を借りて言えば、わたしの内に溜めていたダイナマイトに着火して爆発させたくなった。
火を渡したのはユイくんだ。
だから責任もって、隣で爆発を受けてもらうことにする。
「もう手遅れだからね」
「うん?」
逃げられないからね。
この爆発からは。
ユイくんは意味がわかっていないみたいだけど、とりあえずといった様子で頷いたようだった。
隣を見れば真っ直ぐに信号を見つめている横顔。
整った綺麗な横顔が傾いた太陽の光でキラキラ輝いて見える。
ユイくんの周りだけ、世界が違うみたい。
視線を前に戻すとちょうど信号が青に変わる。
ゴーサインだ。
車が動き出すと同時に、わたしは今までため込んでいたものを話し出した。