次の日からもわたしは自分で決めたことを変えない。
誰に対しても同じように接した。
後藤さんは自分の席で背中を丸めて座っている。
今日も挨拶は返してもらえなかった。
たった一人が勇気を出したところで変わるわけではない。
あんな感情的に持論をぶちまけるだけでは説得力もない。
だから変わらない。
それが現実だ。
わたしには届かなくても、誰か一人にでも、何か一言でも、伝わっていたならば勇気を出した意味は十分にある。
わたしの考えに触れてもらえただけで十分。
現実がそんなに甘くないことは知っているけれど希望をもちたくなってしまう。
そんな甘い考えを教科書と一緒に引き出し押し込んだ。