そして、美優ちゃんの涙が落ち着いた頃。


三人で病室に戻り、ノートを出して美優ちゃんにも今までのことを全て正直に話した。



「だからお兄ちゃん、最近よく奈々美ちゃんのこと私に聞いてきたんだ」


「え?そうなの?」


「……ここんとこ様子がおかしかったから、心配だったんだよ」


「心配かけてごめんね。ありがとう龍之介くん」



照れたように頭をかいてそっぽを向いた龍之介くんにお礼を告げると、



「……落ち込んでないなら、それでいい」



とぼそりと呟いて黙ってしまう。



「照れてる照れてる」


「うるせぇな」



美優ちゃんがそれをからかって、龍之介くんが言い返して。


いつもの日常が、すごく楽しくて温かい。


私が笑っていると、二人とも優しい笑顔でこちらを見つめていて。


その二人の顔がそっくりで、また笑い出した私に訳がわからなさそうに二人で顔を見合わせているのがさらに面白くて。



「奈々美、壊れた?」


「奈々美ちゃんが笑ってるとなんか私もつられちゃう」



───あぁ、生きてて良かった。


ふとそう思った時に、何故だか胸の辺りがさわつくような、そんな違和感を覚えた。