「っ!?」
「……奈々美ちゃん?奈々美ちゃん!どうしたの!?痛むの!?」
「っ……っ、だい、じょうぶ……」
すぐさま私の異変に気が付いた立花さんは、冷静に私の容体を確認する。
こめかみの辺りを両手で押さえて苦しむ私を、目立たないように端の方に車椅子ごと寄せてくれた。
時計を見ながら私の脈を計る立花さんにもう一度大丈夫だからと伝えて、お水をもらう。
浅い呼吸を繰り返しているうちに、段々と痛みは治まっていった。
落ち着いたのを見計った立花さんに「今日はこれ以上はダメ」と言われてしまい、それに頷くと立花さんは私を病室まで送り届けてくれる。
龍之介くんは私の顔を見てすぐに何かを察したようで、「無理はすんなよ」と小声で伝えてくれる。
美優ちゃんは勉強に集中しており、私が戻ってくると「おかえり奈々美ちゃん」と笑顔で声をかけてくれただけですぐにまた教科書に視線を落としていた。
「ただいま。……ちょっと眠くなってきちゃったから、晩ご飯まで寝てるね」
もちろん、そんなの真っ赤な嘘だ。
確かに苦しかったし痛かったけど、だからこそ全く眠くなんてない。