数日後。



「東海林先生から話は聞いています。カウンセリングと言ってもそこまで難しいことはしないから、安心してね。楽しくお話ししましょう」


「は、はい」



朝から緊張していた私は、立花さんと東海林先生に付き添われてとある個室にいた。


そこはカウンセラーが週に一度訪れて、様々な患者さんのカウンセリングをする場所。


私は今日、その初日だった。


私を担当してくれるのは、中原(ナカハラ)さんという女性のカウンセラー。


事前に立花さんにどんな人か聞き、穏やかな人だとは教えてもらっていたものの、やはり実際に会ってみるとそわそわしてしまう。



「ははっ、緊張してる?」


「はい……」


「無理もないよね。初めてのことばかりだものね」



その優しい笑顔に、私もつられて少し笑った。



中原さんとのカウンセリングは、本当にただのお話だったように思う。


特別なことは一切していない。


ただ、今日食べたものとか、昨日何をしていたかとか。リハビリはどんな感じかとか、美優ちゃんと龍之介くんと仲良くなれたこととか。


他愛無い話しかしていないものの、今日のカウンセリングはどうやら終わったようだ。


次回からは東海林先生の付き添いは無し。月に一度くらいの頻度で通うことになった。


病室に戻る途中に立花さんに聞いてみる。