あ、れ……?
ふと目が覚めて気が付いた時。
私は疑問を抱きながらまだ暗い室内の中で、白い天井を見つめた。
「今の……なんだろう」
夢?二人の男女がいて、その二人に必死に手を伸ばしていたのは誰?
「……もしかして、あれが私?」
勢いよく起きあがろうとして、腕にピキッと痛みが走る。
「っ……、それよりっ」
腕を庇いながら引き出しを開け、そこからノートを取り出す。
簡易ライトを付けて、足元にあったテーブルを引き寄せて鉛筆を持った。
「え、っと……」
感情が昂って、心臓がうるさく鳴り響く。
もし、もしも。あれが私の記憶の一部なのだとしたら。
私にとってはとても重要なもの。
今見た夢の内容を忘れないうちに書こうと鉛筆を走らせる。
「あれ……?」
しかし、やはり夢だからか覚えているところと覚えていないところがあり。
ノートには断片的な内容しか書くことができなかった。
不完全燃焼な気持ちを抱えながらもノートを閉じて、ライトを消してから再びベッドに寝転がる。
まだ夜だし、もう一度寝たら同じ夢を見られるだろうか。……それは流石に無理か。
わかっていながらも期待をせずにはいられない。
いちかばちか。もう一度目を閉じて、夢の中へ沈んでみようと試みた。