「奈々美!奈々美!?誰か!医者か看護師呼んでくれ!」



激痛と苦しさの中で、龍之介くんの声が遠くに聞こえた。



「いっ……はぁ……はぁ……」


「奈々美、しっかりしろ!」


「りゅ……の……」



龍之介くんの顔が酷く歪んでいる。


そりゃそうだ。目の前でいきなり私が苦しみだしたのだから。


しかし、そんな龍之介くんを安心させたいけどそうもいかない。


頭が、痛い。息が苦しい。


怖い。怖いよ。



「────」



声にならない声を上げ、無意識のうちに伸ばした手を、龍之介くんがぎゅっと握ってくれる。それに安心したのか、気が抜けた。



「奈々美!?」



そのまま、私は倒れるように意識を手放したのだった。