「愛美ちゃん、よろしくね。私は桐ヶ谷 奈々美。同じクラスなんだから敬語いらないよ」


「でも……」


「歳なんて関係ないでしょ?私、恥ずかしながら全然友達いないから仲良くしてくれると嬉しいな」


「……うん。よろしくね、奈々美ちゃん」



新年度早々新しくできた友達に微笑むと、その様子を側で見ていた龍之介くんが



「良かったな」



と笑ってくれる。



「……あれ?乙坂くんだよね?もしかして、乙坂くんの彼女さんって……」



龍之介くんを見て驚いたように私と見比べる愛美ちゃん。すぐに私たちの首元を見た愛美ちゃんが気が付いたように頷いた。


二人で顔を見合わせて、笑う。



「うん。そうなの。龍之介くんは私の彼氏」



お互いの首にかかるネックレスの先にかかっているのは、龍之介くんが最近始めたバイト代で買ってくれたペアリング。


いつでも持ち歩けるように、とネックレスにして龍之介くんがプレゼントしてくれたのだ。


いつ調べたのか、ちょうど私の誕生日プレゼントも兼ねたサプライズで、本当に嬉しかったのを思い出す。