「初めて会った時から可愛くて目を引いた。こんな綺麗な目をした人と、いつか仲良くなれたらいいなって漠然と思ってた。でもその内話せば話すほど、奈々美が一人でとんでもないもの抱えてるって知って。俺が助けてやりたいって思った。俺が守ってやりたいって思った」
「龍之介くん……」
「記憶が戻った日、一番に俺に助けを求めてくれたことが、嬉しかった。奈々美を救いたいって、助けたいって思ってたから。不謹慎かもしれないけど、すげぇ嬉しかった」
大きな背中に腕を回そうとすると、ピクリと反応してすぐにもっとキツく抱きしめられる。
逃げられるとでも思っているのだろうか。捕まえたとばかりに。離さないとばかりに力強い腕。
「だからこれからも一番近くで、奈々美の隣で。奈々美のこと、守らせてほしい。支えさせてほしい。何かあったら一番に駆けつけたいし、何もなくてもずっと一緒にいたい。……ダメ、かな」
初めて聞いた、その気持ち。
龍之介くんの想いが、痛いくらいに私の胸を締め付ける。
普段、そんなに自分の気持ちを言葉にする人じゃないはずなのに。
頑張って言葉を選んで伝えてくれているのがわかって、それが嬉しくてたまらない。