教室に案内され、そのまま始まったホームルームで軽く私の復学の紹介をしてもらう。
広瀬先生のように笑顔を向けてくれる子もいれば、痛々しいものを見る視線を送ってくる子もいた。
でも、私はそれに笑顔を返す。
「お久しぶりです。今日から復学しました。迷惑かけちゃってごめんなさい。残り短い期間ですが、よろしくお願いします」
声なんて返ってこない前提での挨拶だったものの、なぜかパラパラと「おかえり」という声が聞こえて顔を上げた。
「おかえり、桐ヶ谷さん」
「大変だったね、怪我は治った?」
「元気そうで安心したよ」
「何かあったらいつでも言ってね?」
教室中から聞こえてくる声は、優しさに満ち溢れていた。
「……皆、ありがとう。ただいま」
その優しさに感動してしまい、朝から泣きそうになった。