というか、ちょっと待ってよ、そこってお家だよね?龍之介くんいるんじゃないの?
今までの話を聞かれてたら、それはそれで恥ずかしすぎる!と慌てるものの、どうやら龍之介くんはおでかけしていたらしくバレずに済んだ。
「でも奈々美ちゃん。私、思ったんだ」
「なにを?」
「やっぱり、気持ちってちゃんと伝えないと相手には伝わらないんだなって」
「……うん」
「あと、人間いつ死ぬかわからないから。だからちゃんと思ってることはその都度伝えなきゃって」
「……そうだよね」
今回は奇跡的に一命を取り留めた。
もうあんなことはしないと心に誓ったけれど、美優ちゃんのように事故に遭ってしまう可能性もゼロではない。
そうなった時に、何も言わずに後悔だけはしたくない。
美優ちゃんの言葉の説得力に頷き、私も小さな決意を固めた。