「だから気にすんなって。俺がしたくてしてるんだから。また連絡する。……送っていただいてありがとうございました」
「ふふっ、いいのよ。これからも奈々美のことよろしくね」
「ちょっとお母さん!?」
「はい。失礼します」
「龍之介くんまでっ……もう、バイバイ」
恥ずかしさに負けて手を振って別れる。車が見えなくなるまで龍之介くんは手を振ってくれていて、そんな些細なことが嬉しかった。
「奈々美にあんなに優しいお友達ができてたなんて、お母さん知らなかった」
「私も、こんなに仲良くなれるなんて思ってなかった」
「ふふっ、奈々美が好きになるのもわかるわ」
「……えっ!?」
「あら、違うの?」
「な、にをっ」
「お母さん、彼なら賛成するからね」
「お母さんってば!?何言ってるのよ……!?」
急に何を言い出すのだろう。お母さんは面白そうに笑いを堪えながらからかってきて。
それに否定できなかったのは、確かに私の心の中に淡い気持ちが芽生え始めていたからだった。