ストン、と笑顔が抜け落ちた虚ろな目で登っていた階段。


それがどこのものかはあまり自分では把握できていなかった。


おそらくどこかのマンションの屋上へ続く階段だ。


屋上に出られなかったらそのまま帰ろう。そんな風に思っていたわたしが掴んだドアノブは、錆びていたものの簡単に開いた。


ドアの向こうには、夕焼けでオレンジ色に染まる空が一望できる屋上。


とても綺麗なところだった。


落下防止のフェンスがあったものの、高校生くらいなら頑張れば乗り越えられるほどの高さ。


乗り越えた先の狭いスペースに足を置いて、前を向く。


一歩でも足を動かしたら、あっという間に落ちてしまうほどの不安定さ。


そんな場所でただ正面を見つめるわたしに強い風が幾度も吹き抜け、わたしの制服のスカートを巻き上げる。下着が見えそうだ。


それを手で抑えることもせずに、わたしは沈みゆく太陽を目に焼き付ける。