「……まずは落ち着け」



なんてことないように告げた龍之介くんに、私は顔を真っ赤にしながら頷いた。



「さっきコンビニ行った時のビニール袋しかなくて悪いけど。とりあえずこれ口に当てといて。これで大丈夫だと思うから。まずは落ち着いて、息を吸うことよりもゆっくり吐くことを考えて」



受け取ったビニール袋。今度はちゃんと落ち着いて言われた通りにすると、数分で苦しさから解放されたような気がした。


呼吸が安定すると自然と涙も止まり、朦朧としていた意識もハッキリとしてくる。



「これ、まだ口つけてないから。飲んでいいよ」


「でも、これ龍之介くんの……」


「いいから。飲んだら少し落ち着くから」


「うん……」



言われた通りにもらったスポーツドリンクを一口飲む。


冷たさが身体に染み渡るのを感じて初めて外の空気が肌寒いことに気が付いた。


ぶるっと一瞬震えた私に、龍之介くんは着ていた上着を脱いで私にかけてくれる。



「ありがと」


「気にすんな。……それより、過呼吸起こすなんて一体何があったんだ?」



上着の上から私の肩に手を置いて視線を合わせた龍之介くんに、大きく頷いて。