そんな親子の再会を果たしてから、一時間後。
「奈々美。覚えていることを教えて欲しいんだ」
お母さんからおばさんの話を聞いていたらしいお父さんの鋭い視線に、私は一つ頷いてから話し始めた。
「二週間くらい前から、急にインターホンが鳴るようになって、ドア開けようとしたり叩いたり。モニター見たら、そのおばさんが映ってて。私、怖くなって震えが止まんなくて……」
私の説明でモニターをもう一度確認したお父さんは、難しい顔をして私の元へ戻る。
「二週間も一人で耐えてたのか……?」
「うん。でも、毎日じゃなかったから。ただいつまた来るかがわからなくて、怖くて家からは出られなかったの」
「そうだったのか……」
今までなんの疑いも無く私を預けていたおばさんの奇行に、両親は言葉を無くす。
龍之介くんから聞いた話もすると、お父さんとお母さんは二人でおばさんの元を訪ねようかと話し合っていた。
そんな時だった。
インターホンが、今日も鳴り始めたのだ。
モニターを見ると、おばさんの姿。
それを見て私はまた身体がガタガタと震え出す。
そんな私を見かねて、お母さんが私を抱きしめてお父さんが玄関へ向かった。
何度目かのインターホンが鳴った時。
お父さんが玄関ドアを開けた音とともに、
「もう奈々美ちゃん!あんたって子はまったく……っえ!?」
驚きに満ちたおばさんの声が聞こえた。