お母さんはそれに何度も頷きながら頭を下げて、



「ごめんね奈々美。お母さん、パニックになっちゃって救急車まで呼んじゃって」



と眉を下げた。


まさか救急車で運ばれていただなんて思わなかったため、落ち込んでいるお母さんに「ううん、ありがとう」と笑って答える。


どうやら私はお母さんからあのおばさんの話を聞いて、ショックで倒れてしまったらしい。


頭は打っていなかったらしく、パニックになったお母さんによって救急車で運ばれはしたもののただ気を失っていただけで、今の今までずっと私が起きるのをお母さんはそばで待っていてくれたようだった。


時刻はすでに夜中に差し掛かっており、明日もお母さんは仕事で忙しいはずなのに迷惑をかけてしまった、と今度は私が落ち込む番だった。


しかしお母さんは



「明日は仕事休みなの。おばさんのこと、どうにかしないといけないし。……それに、明日は奈々美にサプライズがあるのよ」


「……サプライズ?」



首を傾げる私に、お母さんは嬉しそうに微笑んだ。