二年生のクラスでは残念ながら綾瀬さんとは違うクラスになってしまった。だからこそ、僕は綾瀬さんとの接点を多く作るために図書委員になることにした。が、ここで思いもよらないことが起きた。僕たちが中二になってすぐ、綾瀬さんと僕と同じ部活の同級生が付き合っているという噂が僕の耳に入ってきた。
たったそれだけのことで僕は大きなショックに見舞われた。それから、僕はしばらくの間、綾瀬さんに話しかけるのは控えるようにした。当たり前だ。好きな人に好きな人が出来たら僕は応援するべきに決まっている。
そんな僕が暗い気分に陥っている時に僕の親友ともいえるべき存在の宮村が心配してくれたのがその時の僕の支えになっていた。
「今度、俺ん家来いよ。ゲームでもしながら愚痴聞くぜ、失恋のな。」と笑いながら俺に話しかけてくれた。この言葉に僕は心から嬉しかった。
嬉しいと思うべきか、綾瀬さんの幸せを願う僕からしたら嬉しくないと思うべきなのか分からないが、いつの間にか「付き合った」という噂から「別れた」という噂に変わっていた。
「良かったな」と、宮村が嬉しそうに僕に伝えてきた。
そんなこともあり、僕は綾瀬さんと今より少しでも仲良くなれたらと思い、今までよりも少しだけ綾瀬さんと話すように頑張った。
図書委員の仕事で図書室に行く時は綾瀬さんと一緒に行くようにしたり、仕事中以外でも話したりするようにした。その頑張りもあってか、夏休みに入る前にはそれなりに話す程度には仲良くなれていたとおもう。