日本には昔から、「あやかし」という存在がいる。
あやかしとは、人ならざる力を持っている。
主に三大勢力であやかし界は出来ている。
「人望」の「鬼」・「知識」の「龍」・「武力」の「虎」
この三大勢力に勝てるあやかしの家はない。
けれど例外もある。

それは、「姫」を手に入れること。

基本人間には、あやかしが見えない。
どんなに霊力がめちゃくちゃ強くてもあやかしを見ることは出来ない。
また、あやかしが人間に見えるようにしている場合もあるが、その時は人間があやかしかどうか判断することは出来ない。
だけど「姫」だけは、人間に見えるようにしていないあやかしも見ることが出来る。
また姫は、あやかしをもおよばぬ「強い力」を持っていると言われている。
姫は幼い時から、「霊力」・「神力」・「妖力」の3つを持ち合わせている。
姫の目から見たらあやかしも普通の人間に見える。

あやかしは基本的に同じ種族のあやかしとしか結婚することは出来ない。
なぜなら、あやかしの子供を妊娠する場合人間には耐えることが出来ないからだ。
あやかしの子供は産まれる前の胎児の時点でとても強い妖力を持っているため、その妖力に耐えられる人間はいない。

けれど、姫だけは違う。
姫だけはあやかしの妖力に耐えられる程の強い力を持っているため、あやかしとの子供を産むことが出来る。
だから、姫だけは人間だけどあやかしと結婚することが出来る。

あやかし皆が姫を欲しがるが、初代の姫から数千年経った今も姫があやかしの前に現れたことはない。
そのため、「姫」という存在自体がただの噂話だと言っている人たちも多くいるため、今となってはもう存在しないとも言われている。

また、姫に対して世の中の女性は皆憧れを持っている。
普通の人間はあやかしを見ることも出来ないので、見えること自体に憧れを持っている人や、数千と居るあやかし男子たちに一斉に求婚されることに憧れを持っている人も多くいる。

あやかしには姫か、姫じゃないかの判断はつくが、姫からは自分が姫だということは自覚が出来ない。
そのため、姫にとってのあやかしは普通の人間。
また姫は霊力や霊感があるため、あやかしと幽霊と人間の区別がつかないほど全てが普通の人間に見える。

姫はいいことばかりじゃない。
妖力があるため、小さい時は力の調節が出来ず、一気に熱が上がったりすることがある。
また霊力、霊感があるため、悪夢を見ることが多く眠れない夜を過ごすことが多い。

それでも皆が「姫」になりたいのには訳がある。

それは

「姫」となってあやかし男子に愛されて、幸せな暮らしをすること。

けれど皆「無理」だとあきらめる。
それは、どんなに努力しても「姫」になることはできないからだ。

けれどこの夢みたいなことを叶えられる人がいる。
そう、正真正銘の「姫」で皆が憧れることを唯一叶えることが出来る人。

それは、姫である彼女のみ。