あなたと出会ったのは、大学の医学部に入った時でしたね。それから6年間の学生生活、2年間の研修医生活も、ずっと同じ時間を過ごしました。あなたの第一印象は……これを言うと、もしかしたらあなたは怒ってしまうかもしれない。けど、これは悪口でも何でもないんです。女性に対して使う言葉でもないことはわかっていますが、正直な感想が「体格のよい人だな」でした。それが、良いとか悪いとかではなく、率直な意見としてですよ。
医者というのは、体力勝負な職業。なので、体力がない人は、まず続けることができません。見た目が細くても、見た目が細くなくても、医者として勤めている人は、みんな体力のある人ばかりです。体力がなければ、長時間の勤務には耐えられませんもんね。それに医者は、立っていることが多いので、足腰の丈夫さも大事です。
ちょっと話がそれましたね。元に戻しましょう。あなたと私は、身長もあまり変わりませんでした。だから、とも言うんでしょうか。私はまずあなたに、男女の壁を超えた親友のような親近感を覚えたんです。つまり、異性としては見ていなかったのだと思います。親友、仲間、同士。どの感覚かはわかりませんが、とにかくとても近い存在です。ただ、親近感は持っていましたが、実際に本当に仲良くなれたのは研修医の時でしたね。研修医として病院でローテートをしているうちに、徐々に話をするようになって、急速に距離が近づいていったように思います。そんな風に感じていたのは、私だけではないと思うのですが、どうでしょうか? 同じように思っていてくれたら嬉しいな。
あなたとの会話は、本当にすごいと思いました。考え方が魅力的で、言葉の選び方も魅力的で。私はやや人に対して壁を作ってしまうところがあるのですが、あなたは簡単に私の心の垣根を超えてきました。しかもそれが、嫌じゃない。垣根を超えてきてくれたことが、私はとても嬉しかったんです。こんなに鮮やかに超えてくる人なんて、今までいませんでした。あなたはそれだけ魅力的だったのだと思います。遠くから眺めているだけではわからない魅力が、話すことによって伝わってきて、私はあなたの魅力に抗えなくなっていきました。
あなたと私は1歳の年齢差がありました。私の方が1つ年上です。だけど、あなたには私より年上なのかと思わせるような行動力と包容力がありました。どんなことにも前向きに全力で取り組むので、自分の意見と違う人がいたら、相手が誰であっても自分の意見を言える人だった。その姿勢を貫いている姿は、とてもかっこよかったです。相手を選んで意見を言う人はたくさんいるけれど、相手が誰でも言えるというのは、敵も作る行為だけれど、本当の味方を作る行為でもあると思うから。
私と治療方針で、やりあったこともありましたね。覚えていますか? あの時は、お互いに言葉も荒くなって、私の言葉に負けずにあなたも言い返してきて、どちらも譲らないから決裂してしまったこともありました。いえ、そんなことはしょっちゅうでしたね。思い返すと、あなたと私は、そうやって何度も言い合いをしていたと思います。あなたはいつだって、真っすぐに意見をぶつけてくるから、私も自分の考えが間違えていないと真正面から言い返したんだと思います。お互いに及第点はあったはずなのに、それを見ずに突っ走っていました。若かったですよね。今思い出すと、本当に懐かしいです。
あの時のことを思い出すと、いつもこんな流れだったように思います。
「私はこう思うんだけど……」と、あなたは自分の考えを事細かに私に説明しました。私が考えて出した分析に対して、自分の考えはこうだと私に伝わるように丁寧な言葉で主張をしてきて。あの頃の私は、まだ診療への姿勢やポリシーなどが固まっていなくて、患者さんにどう対応していくのかを決めかねていました。だから、すぐに周りの意見に振り回されて、ころころ方針が変わっていましたよね。だから、あなたとの意見の交流は、私にとってかけがえのない大切な時間でした。あなたがいたおかげで、私は成長できたのだと思います。
あなたとそうやって、治療方針でぶつかることは多かったけれど、結局いつも最後は分かり合えましたよね。どんなに辛辣な言葉を言い合ったとしても、何のわだかまりもなく元の関係に戻れる。こんな人って、本当に中々いないんじゃないかって思います。こんな言い方は、少し気障かもしれないですが、私たちはまるで磁石のS極とN極のように引き合っていました。実際、あなたの考えは私の中に入って来たし、私の考えをあなたは受け入れてくれたから。どんなに離れていても、どんなにお互いが離れようとしても、離れられない関係なんだと思います。
医者というのは、体力勝負な職業。なので、体力がない人は、まず続けることができません。見た目が細くても、見た目が細くなくても、医者として勤めている人は、みんな体力のある人ばかりです。体力がなければ、長時間の勤務には耐えられませんもんね。それに医者は、立っていることが多いので、足腰の丈夫さも大事です。
ちょっと話がそれましたね。元に戻しましょう。あなたと私は、身長もあまり変わりませんでした。だから、とも言うんでしょうか。私はまずあなたに、男女の壁を超えた親友のような親近感を覚えたんです。つまり、異性としては見ていなかったのだと思います。親友、仲間、同士。どの感覚かはわかりませんが、とにかくとても近い存在です。ただ、親近感は持っていましたが、実際に本当に仲良くなれたのは研修医の時でしたね。研修医として病院でローテートをしているうちに、徐々に話をするようになって、急速に距離が近づいていったように思います。そんな風に感じていたのは、私だけではないと思うのですが、どうでしょうか? 同じように思っていてくれたら嬉しいな。
あなたとの会話は、本当にすごいと思いました。考え方が魅力的で、言葉の選び方も魅力的で。私はやや人に対して壁を作ってしまうところがあるのですが、あなたは簡単に私の心の垣根を超えてきました。しかもそれが、嫌じゃない。垣根を超えてきてくれたことが、私はとても嬉しかったんです。こんなに鮮やかに超えてくる人なんて、今までいませんでした。あなたはそれだけ魅力的だったのだと思います。遠くから眺めているだけではわからない魅力が、話すことによって伝わってきて、私はあなたの魅力に抗えなくなっていきました。
あなたと私は1歳の年齢差がありました。私の方が1つ年上です。だけど、あなたには私より年上なのかと思わせるような行動力と包容力がありました。どんなことにも前向きに全力で取り組むので、自分の意見と違う人がいたら、相手が誰であっても自分の意見を言える人だった。その姿勢を貫いている姿は、とてもかっこよかったです。相手を選んで意見を言う人はたくさんいるけれど、相手が誰でも言えるというのは、敵も作る行為だけれど、本当の味方を作る行為でもあると思うから。
私と治療方針で、やりあったこともありましたね。覚えていますか? あの時は、お互いに言葉も荒くなって、私の言葉に負けずにあなたも言い返してきて、どちらも譲らないから決裂してしまったこともありました。いえ、そんなことはしょっちゅうでしたね。思い返すと、あなたと私は、そうやって何度も言い合いをしていたと思います。あなたはいつだって、真っすぐに意見をぶつけてくるから、私も自分の考えが間違えていないと真正面から言い返したんだと思います。お互いに及第点はあったはずなのに、それを見ずに突っ走っていました。若かったですよね。今思い出すと、本当に懐かしいです。
あの時のことを思い出すと、いつもこんな流れだったように思います。
「私はこう思うんだけど……」と、あなたは自分の考えを事細かに私に説明しました。私が考えて出した分析に対して、自分の考えはこうだと私に伝わるように丁寧な言葉で主張をしてきて。あの頃の私は、まだ診療への姿勢やポリシーなどが固まっていなくて、患者さんにどう対応していくのかを決めかねていました。だから、すぐに周りの意見に振り回されて、ころころ方針が変わっていましたよね。だから、あなたとの意見の交流は、私にとってかけがえのない大切な時間でした。あなたがいたおかげで、私は成長できたのだと思います。
あなたとそうやって、治療方針でぶつかることは多かったけれど、結局いつも最後は分かり合えましたよね。どんなに辛辣な言葉を言い合ったとしても、何のわだかまりもなく元の関係に戻れる。こんな人って、本当に中々いないんじゃないかって思います。こんな言い方は、少し気障かもしれないですが、私たちはまるで磁石のS極とN極のように引き合っていました。実際、あなたの考えは私の中に入って来たし、私の考えをあなたは受け入れてくれたから。どんなに離れていても、どんなにお互いが離れようとしても、離れられない関係なんだと思います。