千鶴子の歌謡日記

  自堕落な私たちの子供
   たぶん 私たちの あしたは こんなだろう
    たぶん 私たちの あっさっても こんなだろう
  
   たぶん 私たちの あしたは こんなだろう
    たぶん 私たちの あっさっても こんなだろう
  
 白井研一のことは忘れよう。わたしに勝ち目はない。忘れなければ、深手を負うに違いない。でも、忘れるための儀式はやらなければならない。そこで曲先にはめ込んだ歌が生まれる。
  
  偶数だったら別れましょう    
  半端な逢瀬にけりつけましょう
  ダイスを振るから目を見てて 
  ここはけじめのターミナル
  
  ほんとにいいの 別れても  
  さいの目次第でお別れで
  それほどどうでもいいならば 
  いっそ振らずに別れましょう
  奇数が出ても君の心が 
  変わるような思いがしない
  
  心が欲しがるつらいとき 
  逢えない君なら別れよう
  愛し続けても甲斐がない 
  イエス様にはなれないよ
  
  それほど僕に言わせたいなら 
  言ってあげようさよなら君に
  想い出たどれば出逢い駅 
  乗れずにたたずむ未練駅
  何時に乗ろうか迷う駅  
  いまは別れの始発駅 ダイスを 捨てて 未練断つ
四月四日

 わたしは生きようとしたことがない。水を飲むのは喉が渇くからだ。喉が渇くことを意図したことはない。食事をするのはお腹がすくからだ。空腹になることを意図したことはない。夜、眠るのは眠たくなるからだ。眠たくなりたいと意図したことはない。朝、目が覚めるのは、目が開くからだ。目の覚めることを意図したことはない。鼓動がするのは、心臓が動いているからだ。心臓を動かそうと意図したことはない。けがをすると血が流れるのは血流があるからだ。血が血管を流れることを意図したことはない。モノを考えるのは脳があるからだ。脳があるようにと意図したことはない。そもそも、今生きているのは生まれたからだ。生まれようと意図したことはない。今生きているのは死なないからだ。死なないようにと意図したことはない。電車の線路に飛び込まないのは、轢かれたら痛いだろうと思うからだ。経験したこともないのにそう思いたいと意図したことはない。




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