百貨店の前の通り。そこは、とても悲しい人びとの集まりだった。誰もわたしの気持なんかわかってくれない。故意に胸を張って歩くわたしの心を誰も察しようとはしない。彼は、わたしを無視した。彼は、六人の女の子を引き連れて、どこかへ行ってしまった。わたしは、駅の方角に足を向けた。デパートの前から横断歩道を渡ったとき、左折してきた日の丸タクシーがわたしの目の前を猛スピードで通り過ぎて行った。嗚呼、いっそのことわたしを轢いてくれればいいのに。悲しい。死すらわたしを見放したらしい。百貨店の前を歩きながら、今死ねたらどんなにいいだろうかと考えた。アサンガのように、生への執着のない今、この時に。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『若きウェルテルの悩み』の青白い決断の色彩が濁らない間に・・・。
酒精のせいもあったのだろう。わたしはほとんど泣きだしそうだった。家のみなが遊びに出掛けるというのに、足手まといだからと、置いて行かれる幼児のように、泣きわめきたかった。わたしはまるで、ストーカーのようだった。いつかしら、吉行淳之介の『驟雨』が降り始めた。そこで、松本健太や藤巻亮太の『雨上がり』のような歌が生まれる。
雨上がりの 坂道を
いまあなたは一人で 降りて行く
出逢いの日の 坂道も
そう雨に降られて 光る朝
あなたの体に かをりを残し
去って行った 女達
そんなことは どうでもいいと
いつもわたしは 呟いていた
別れを待つ 踏切は
ああ 未練断てずに 鳴り響く
雨上がりの 窓口で
今あなたは切符を 買っている
最初の日の 明け方も
そう人も疎らな 寒い駅
わたしの体に かをりを残し
去って行った 男達
あなたも同じ 男のはずと
今もわたしは 言い聞かせてる
街を走る硝子窓
いま 君は電車の箱の中
雨上がりの 公園を
今わたしは一人で 歩いてる
別れの日の マロニエは
そう雨に打たれて 撓る枝
わたしの心に 想い出残し
去って行った 君のこと
いずれ時の 流れに消える
そうと僕は 信じ込みたい
街に溶ける銀のレール
いま あなたは終着駅の人
酒精のせいもあったのだろう。わたしはほとんど泣きだしそうだった。家のみなが遊びに出掛けるというのに、足手まといだからと、置いて行かれる幼児のように、泣きわめきたかった。わたしはまるで、ストーカーのようだった。いつかしら、吉行淳之介の『驟雨』が降り始めた。そこで、松本健太や藤巻亮太の『雨上がり』のような歌が生まれる。
雨上がりの 坂道を
いまあなたは一人で 降りて行く
出逢いの日の 坂道も
そう雨に降られて 光る朝
あなたの体に かをりを残し
去って行った 女達
そんなことは どうでもいいと
いつもわたしは 呟いていた
別れを待つ 踏切は
ああ 未練断てずに 鳴り響く
雨上がりの 窓口で
今あなたは切符を 買っている
最初の日の 明け方も
そう人も疎らな 寒い駅
わたしの体に かをりを残し
去って行った 男達
あなたも同じ 男のはずと
今もわたしは 言い聞かせてる
街を走る硝子窓
いま 君は電車の箱の中
雨上がりの 公園を
今わたしは一人で 歩いてる
別れの日の マロニエは
そう雨に打たれて 撓る枝
わたしの心に 想い出残し
去って行った 君のこと
いずれ時の 流れに消える
そうと僕は 信じ込みたい
街に溶ける銀のレール
いま あなたは終着駅の人


