千鶴子の歌謡日記

  どんなことも隠さないで

  悲しいこと つらいこと
  なぐさめあうhug

  嬉しいこと 二倍になるはずsure
  悲しいことは 半分にして分かち合うshare

  あなたがhappyなら every day
  雨降る夜 いつかは晴れるforecast
  あすは晴れ 雲のないblue sky sun shine
 
 わたしは再びベッドに横になった。しっとりと濡れた体が、シーツにふれて、融けてゆくような感じがした。乳首が、微かに疼いた。もう、身も心も萎え切っていた。いつものように時の流れにむしばまれたまま、時の流れに身を任せるしかない。そこで、阿久悠の『時の過ぎゆくままに』のような歌が生まれる。

   赤いマニキュア 落とした指で
   静かに回す  ターンテーブル
   あなたの歌声  閉じこめたまま
   空回りする  オープンリール
    どうでもいいのと 口癖のよに
    わたしは不意に  踊り出すふり
    どうでもいいなら わたしなぜ
    涙かくして    テラスへ逃げる
   時の流れに  むしばまれたまま
   帰りたくない 虚しい気持ちを
   どうかどうか 分かって欲しい
     篭の小鳥が  目を覚ますまでに

   雨のハイウェイ 見降ろしながら
   静かにはずす イヤリング
   あなたの横顔  閉じこめている
   琥珀色した  ウィスキーボトル
    どうでもいいのと 繰り返しては
    呑めない酒を   無理に呑むけど
    どうでもいいなら わたしはなぜ
    グラスの縁で   涙を拭くの 
   時の流れに  むしばまれたまま
   帰りたくない 切ない気持ちを
    せめていつか 分かって欲しい
     二度と再び 逢う日がなくても

 もう夜も遅い。寝てしまおう。眠って目が醒めなければ、ハムレットが第三幕第一場で言うように、それは死だ。夢を見続けることができれば、輪廻転生で、別の人生を生きることができる。転生できるかどうかは、死んでみなければわからない。前世の記憶がないとすれば、転生できたとしても、わからない。そこで、アラベスクの楽曲のような歌が生まれる。
 
  夜明け前の闇 手探りで出てきたの
  今でなければ愛し合えないわたし
  ひかりが舞い踊る窓 まどろむ