姉が縋った 濡れ縁
白いおもとに風がそよいで 絡んでいます
陽溜まりの濡れ縁で 手紙を読む 昼下がり
白い袂に 薄日が差して
揺らいでいます
あなたの襟足 あなたの後れ毛
震える指で 慈しんでは
いけいないですか
あの人に会うと必ず、わたしの胸は苦しくなる。言葉が途切れ、指先が震え、膝が力を失う。彼は、千人、いや、一万人に一人いるか、いないかの美男子で秀才。どんな女の子でも、彼とすれ違うときに振り返らないことはない。それほど、彼の容姿は群を抜き、人目を惹きつける。でも、それだけのこと。女の子の方で、その美しさが表層だけのものだと自分に言い聞かせれば、彼とても、凡庸な美男子の一人になる。例えば、どこかの会社の独身女性のあこがれの的のような独身のサラリーマンのように。
わたしは、彼と同じテニス・クラブでプレーすることによって、彼の一部を所有している。そして、その所有のために、わたしはわたしの自尊心と、他の女性の羨望に対する優越感を味わっている。でも、それは、絶対的なものではない。彼はまだわたしを愛していないし、その証拠もない。二人だけで話したこともないし、まだデートに誘われたことすらもない。
わたしは、わたし一人だけで彼の独占者になりた。すべての女の子が羨むような所有者になりたい。そして、わたしは、彼を愛さず、彼の方だけが彼の全身全霊を傾倒して、わたしを愛す。それが、わたしの最大の夢。彼は、わたしに拝跪し、わたしを限りなく慈しみ、いたわり、わたしに毎日の様に微笑み掛ける。そして、毎夜のように、彼はわたしに電話して、愛の告白をする。大学では、彼はわたしを追い回し、わたしは仕方なく彼の相手になるようにする。彼は、媚を売るあらゆる女の子を拒絶し、わたしだけに愛を語る。そして彼は、
「君のためなら、命も惜しくない」
と多くの女の子の見ている前で公言する。彼は、わたしの奴隷になる。彼の美しい容姿も、優れた知性も、全てわたしのものになる。彼が、この上もなく、彼の命以上にわたしを愛したとき、わたしは彼を涙ながらに捨てるのだ。彼は失意のあまり自殺を遂げ、わたしは何事もなかったかのように、次の冒険に旅立つ。
白いおもとに風がそよいで 絡んでいます
陽溜まりの濡れ縁で 手紙を読む 昼下がり
白い袂に 薄日が差して
揺らいでいます
あなたの襟足 あなたの後れ毛
震える指で 慈しんでは
いけいないですか
あの人に会うと必ず、わたしの胸は苦しくなる。言葉が途切れ、指先が震え、膝が力を失う。彼は、千人、いや、一万人に一人いるか、いないかの美男子で秀才。どんな女の子でも、彼とすれ違うときに振り返らないことはない。それほど、彼の容姿は群を抜き、人目を惹きつける。でも、それだけのこと。女の子の方で、その美しさが表層だけのものだと自分に言い聞かせれば、彼とても、凡庸な美男子の一人になる。例えば、どこかの会社の独身女性のあこがれの的のような独身のサラリーマンのように。
わたしは、彼と同じテニス・クラブでプレーすることによって、彼の一部を所有している。そして、その所有のために、わたしはわたしの自尊心と、他の女性の羨望に対する優越感を味わっている。でも、それは、絶対的なものではない。彼はまだわたしを愛していないし、その証拠もない。二人だけで話したこともないし、まだデートに誘われたことすらもない。
わたしは、わたし一人だけで彼の独占者になりた。すべての女の子が羨むような所有者になりたい。そして、わたしは、彼を愛さず、彼の方だけが彼の全身全霊を傾倒して、わたしを愛す。それが、わたしの最大の夢。彼は、わたしに拝跪し、わたしを限りなく慈しみ、いたわり、わたしに毎日の様に微笑み掛ける。そして、毎夜のように、彼はわたしに電話して、愛の告白をする。大学では、彼はわたしを追い回し、わたしは仕方なく彼の相手になるようにする。彼は、媚を売るあらゆる女の子を拒絶し、わたしだけに愛を語る。そして彼は、
「君のためなら、命も惜しくない」
と多くの女の子の見ている前で公言する。彼は、わたしの奴隷になる。彼の美しい容姿も、優れた知性も、全てわたしのものになる。彼が、この上もなく、彼の命以上にわたしを愛したとき、わたしは彼を涙ながらに捨てるのだ。彼は失意のあまり自殺を遂げ、わたしは何事もなかったかのように、次の冒険に旅立つ。


