千鶴子の歌謡日記

  満員電車に揺られています
  破れる夢すらなくなって 
   わたしは唯のサラリーマン
  このわたしにも青春はありました
   めくるめくような青春が
    でも人を思いやることばかりで
    青春をふいにしました
      ああ 思いのままに 思いのままに
       生きられる時代はもう二度と
       巡ってはこないのでしょうか

  今日は給料がやっと貰えます
  僅かばかりのサラリーで
   どういう夢が買えるでしょう
  このわたしにも夢希望ありました
   まばゆいばかりの夢希望
    でも諦めることばかりで 
    夢希望ふいにしました
      ああ ただ一筋に ただ一筋に
       夢を見る時代はもう二度と
        巡ってはこないのでしょうか

  いつもと変わらぬことばかりです
  虚しい日々の繰り返し
   ときめくことを忘れました
  このわたしにも青春はありました
   心がときめく青春が
    でも人に想いを寄せるばかりで
    青春をふいにしました
       ああ ただ純粋に ただ純粋に
       ときめいた時代はもう二度と
        巡ってはこないのでしょうか


四月四日

 時間の響き、カチカチ、カチカチ、知らぬ間に心の間隙に潜みて、チクタク、チクタク、知らず知らずの内にその亀裂に溺れ、それは楼閣の砂のような流れだろうか、カチカチ、カチカチ、あるときはブラックホールの異常な濃密さで、チクタク、チクタク、あるときは重力のシガラミから極度な散漫さで、チッチッ、チッチッ、エントロピー増大の果てに、それに一定の濃度があるのだろうか。濃度が限りなく希薄であるとすれば、ルートヴィッヒ・エードゥアルト・ボルツマンのように、自死するしかいない。