千鶴子の歌謡日記

  「み」は「みかん」の「み」
  「む」は「むすび」の「む」
  「め」は「めろん」の「め」
  「も」は「もなか」の「も」

  ひらがなかこう「やーゆーよ」
  「や」は「やかん」の「や」
  「や」は「やおや」の「や」
  「ゆ」は「ゆうひ」の「ゆ」
  「ゆ」は「ゆぶね」の「ゆ」
  「よ」は「よなか」の「よ」

  ひらがなかこう「らりるれろ」
  「ら」は「らっきょ」の「ら」
  「り」は「りんご」の「り」
  「る」は「るびい」の「る」
  「れ」は「れたす」の「れ」
  「ろ」は「ろうか」の「ろ」

  ひらがなかこう「わーをーん」
  「わ」は「わかめ」の「わ」
  「わ」は「わたし」の「わ」
  「を」は「ぼくを」の「を」
  「を」は「きみを」の「を」
  「ん」は「ううん」の「ん」

 NHKの「みんなのうた」はあからさまに子門真人の『およげ!たいやきくん』の2匹目の鯛を狙っているのが見え見えだ。どうでもいいような歌ばかり。みなみらんぼうの『山口さんちのツトム君』はそこそこのヒットとなったが、それっきりだ。
 遊びと歌がワンセットのものもある。『かごめかごめ』や『はないちもんめ』のようなわらべ歌がそうだ。そこで、NHK推奨の『みんなのうた』御用達の歌が生まれる。

  グウチョキパーで
  じゃんけんしよう
  グウでかったら
  グウグウねよう

  グウチョキパーで
  じゃんけんしよう
  チョキでかったら
  はさみで切ろう

  グウチョキパーで
  じゃんけんしよう
  パーでかったら
  つつんですてよう

  グウチョキパーで
  じゃんけんしよう
  あいこになったら
  もう一度

 『オーメン』のダミアンを観れば知るように、
「子供は天使だ」
と言う誤解がある。ルネ・クレマンの『禁じられた遊び』のナルシソ・イエペスの哀愁のアコースティック・ギターが忘れなれないが、子供は無垢の存在という前提がある。ヴァイダ・ラースローの『汚れなき悪戯』も同じ趣向だ。でも、
「三つ子の魂百まで」
という諺は正しい。小学生の時のいじめっ子は、同窓会でも、性格の悪い人間だった。性格は悪くても、せめて言葉遣いだけでも、それらしく教育出来ていればいい。そこで、NHK推奨の『おかあさんといっしょ』御用達の歌が生まれる。