この想い出もやがて消えるだろう
風にわたしは耳を貸さない
この想い出がやがて消えようとも
心の愛は残るはずだから
そして、それが、かくもわたしを苦しめ、苛み、わたしは自分を滅したいと思うほどなのだから。しかも、相手の人は全く無疵で、わたしの存在すらも知らないのだから。かつて妻として愛した岩が恐ろしい相貌に豹変したことで、恐れおののく『四谷怪談』の伊右衛門の所作と本質は似たようなもの。盲目の人のように、人間を言葉と、その言葉が織りなす、その人間の本質を認識する人にとっては、皮一枚のつき加減に惑わされている人間の狂態は滑稽に違いない。そこで、さだましの曲で瞽女に歌わせたい歌が生まれる。
これが あなたですか
空を 見ているんですか
これが わたしですか
手をつないで いるんですか
きっと あなたの瞳は
遥か遠い昔に見た
高く青い空のように
爽やかに澄み切って
いるのでしょう
手を取って下さい
このアイボリー・レリーフの
わたしのように
これは 涙ですか
なんで 泣いてるんですか
どうぞ 涙拭いて
平気なのよ 見えなくても
きっとあなたの涙は
遥か遠い昔に見た
深い深い海のように
エメラルド・グリーンの
滴でしょう
微笑みを下さい
このアイボリー・レリーフの
あなたのように
これが 愛なんですね
とても よく見えるのです
それは 不思議ですか
でもほんとに 見えるのです
きっとあなたの愛は
遥か遠い昔に見た
母や兄の胸のように
優しくて柔らかな
しとねでしょう
口づけを下さい
このアイボリー・レリーフの
わたしの頬に
でも、わたしはやはり、叫ばずにはいられない。なぜ、なぜ、あなたはそれほどまでに美しいの?教えて!わたしには、そんな質問しかできないの!ねえ、なぜ?なぜ?なぜなの?あなたはわたしを全く知らない。それを承知で、わたしは恋い焦がれている。ねえ、わたしはどうしたらいいの?
もうだめ、これ以上、わたしには書けない。
風にわたしは耳を貸さない
この想い出がやがて消えようとも
心の愛は残るはずだから
そして、それが、かくもわたしを苦しめ、苛み、わたしは自分を滅したいと思うほどなのだから。しかも、相手の人は全く無疵で、わたしの存在すらも知らないのだから。かつて妻として愛した岩が恐ろしい相貌に豹変したことで、恐れおののく『四谷怪談』の伊右衛門の所作と本質は似たようなもの。盲目の人のように、人間を言葉と、その言葉が織りなす、その人間の本質を認識する人にとっては、皮一枚のつき加減に惑わされている人間の狂態は滑稽に違いない。そこで、さだましの曲で瞽女に歌わせたい歌が生まれる。
これが あなたですか
空を 見ているんですか
これが わたしですか
手をつないで いるんですか
きっと あなたの瞳は
遥か遠い昔に見た
高く青い空のように
爽やかに澄み切って
いるのでしょう
手を取って下さい
このアイボリー・レリーフの
わたしのように
これは 涙ですか
なんで 泣いてるんですか
どうぞ 涙拭いて
平気なのよ 見えなくても
きっとあなたの涙は
遥か遠い昔に見た
深い深い海のように
エメラルド・グリーンの
滴でしょう
微笑みを下さい
このアイボリー・レリーフの
あなたのように
これが 愛なんですね
とても よく見えるのです
それは 不思議ですか
でもほんとに 見えるのです
きっとあなたの愛は
遥か遠い昔に見た
母や兄の胸のように
優しくて柔らかな
しとねでしょう
口づけを下さい
このアイボリー・レリーフの
わたしの頬に
でも、わたしはやはり、叫ばずにはいられない。なぜ、なぜ、あなたはそれほどまでに美しいの?教えて!わたしには、そんな質問しかできないの!ねえ、なぜ?なぜ?なぜなの?あなたはわたしを全く知らない。それを承知で、わたしは恋い焦がれている。ねえ、わたしはどうしたらいいの?
もうだめ、これ以上、わたしには書けない。


