「私は、幽世と現世の架け橋になる」


きっぱり言い切って、再び彼に向き合った。


「え?」

「白夜の……死神のことを、人間に正しく理解してもらえるよう、幽世広報大使って言うか。実際に死神に命を救ってもらった私が普及活動に当たれば、子供も大人も
死神を恐れて忌み嫌うこともなくなるはず」

「…………」

「そうしたら、これ以上白夜も寂しい思いしなくて済むでしょ? ほら、これで利害が一致した」


絶対の自信を持って、「ね?」とにっこり笑う私に、白夜は呆気に取られたような顔をした。


「利害の一致。契約ねえ……」


目を伏せ、私の言葉を反芻して、ふっと皮肉気に口角を上げる。


「結局、現世に入り浸る言い訳にしたいだけじゃないのか」


意地悪な返しに、私はうっと口ごもった。
白夜は赤い瞳を光らせ、私のスカートのポケットあたりに視線を流す。


「他の男からの貢ぎ物なんぞ、後生大事に持って来やがって」

「え? あっ!」


彼の言葉に導かれ、私がポケットに手を当てるより一瞬早く、中から小さな紙袋が浮き上がった。
さっき千雅からもらった、誕生日プレゼントだ。


「も、もしかして透視したの!?」