誕生日が明後日に迫った曇り空の日。
アルバイトの休憩中、社務所で母が作ってくれたお弁当を食べていると、傍らに置いたスマホがブブッと振動した。
千雅からのLINEの着信だった。


『じゃあ、お邪魔しようかな』


私は彼の返事を確認して、スマホをテーブルに伏せた。
無意識に、ホッと息を吐く。
私は千雅の誘いに、『ごめんね。誕生日は、家でパーティーしたい。千雅も来てくれない?』と返信していた。


誕生日――私にとって、人間でいられる最後の日だ。
隣町への遠出も映画も心残りだけど、あと三日しかないのに、最優先でしたいことではない。
限られた時間、人間としての余命。
私は、なにがしたいかではなく、なにをすべきかを考えた。


生まれてすぐに命を落とした私にとって、この十七年こそ余生だったと言っていい。
今、私がしなければいけないこと。
大切な人に、感謝を伝えたい。


例の謎々で白夜を怒らせたわりに、涼しい顔して平然と遊びに来る小町に相談に乗ってもらい、私はホームパーティーを開くことに決めた。
去年までは、誕生日の私がお祝いされる側だったけど、今年は私が大切な人をもてなす側に回る。
両親には、全部私が準備してパーティーがしたいとお願いした。
二人はきっと、その日が最後と察しているはずだ。


両親の他に、パーティーに招きたいのは、幼なじみの千雅だけだった。
よかった――千雅も来てくれる。