導き出した答えが、目が眩むほどの閃光となり、儚い希望を繋ぐ。
居ても立ってもいられなくなって、私は窓辺から離れ、ドアに向かって一目散に走り出し……。


「神を悪霊と同等に扱うとは、失礼な嫁だな」


すぐ背後から不愉快そうな低い声がして、足が竦んで止まった。


「時間も場所も選ぶ必要はない。お前が俺に会いたいと願えば、いつでも来てやる」


横柄な物言いにごくんと喉を鳴らし、そろそろと振り返る。


「人間の姿のお前より、こちらの方がよほど、自由がきく身だ」

「死神様……」


開け放ったままの窓辺に佇む、昨夜と同じ黒装束に黒髪、赤い瞳の男神を見て、私は知らず知らずのうちに口を動かしていた。
恐れか畏れか、身体が強張り、冷たい汗が背筋を伝う。


死神は私の反応に構わず、やはり音もなく目の前までやってきた。
抜けるように背が高い。
私は喉を仰け反らせて、彼を見上げた。


「……死神、様」

「名は白夜(びゃくや)だ。俺の嫁になるなら、そう呼べ」


端麗な顔にこれっぽっちの感情も滲ませず、さらりと告げられ、


「びゃ、白夜……?」


意思とは関係なく、反芻していた。
彼は無言で頷いて応じる。