次の日、学校に行くと、先生は休みだった。
とても気がかりだった。SNSで
『先生、大丈夫かな……。心配だな……』等の書き込みを数件投稿した。すると梅林から、
『先生のこと、すごく気にしているけど、好きなの?』とメッセージが来た。
『体調悪い人のことを気にかけるのはダメな事なの?』と瑠那は率直な意見を返した。
後日、莉沙や花恋からも同じようなメッセージが送られてきた。
『先輩は、東吾先生のことが好きなんですか?』と。
正直、瑠那の心は揺れていた。体調が悪い時に優しくしてもらっただけなのに、それだけで心が揺れるなんて、自分は単純なのだなと、瑠那は思った。
莉沙には
『どうだろね』と曖昧な返事を返した。
花恋には
『好きかもしれない』と送っておいた。その後も花恋からの質問責めは続いた。最後に、
『私のこと、好きですか?』と送られてきた。
『好きだよ』と素直に返した。
『だけど、付き合うことはできない』と同時に送った。
花恋からは出会ってから何度も告白をされていたが、ずっとはぐらかしてきた。これからもずっと付き合うことはないだろうと思っていた。
*
3年生の7月。太陽がジリジリと肌を焦がすように降り注いでいた。
彩が部活に戻って来た。
前のようなことはなかったが、部活内はギクシャクとした雰囲気になっていた。
梅林とは5月に別れていた。
その後は何も浮いた話はなかった。
花恋が瑠那に想いを寄せていて、瑠那は先生に心を動かされていることは変わりなかった。
彩は夏休み中、一度も顔を出すことはなかった。みんなから不満が滲み出ているのが分かった。
文化祭を最後に3年生は引退をする。
最後の舞台なので、気合が入っているのは分かったのだが、どうも上手くまとまらなかった。
文化祭まで後1週間を切ったにも関わらず、未だに完成した音楽が聴けたことはなかった。誰かが意図的にミスをしているのではなく、ギクシャクとした雰囲気のせいで、完璧に弾いているつもりでも、音を外してしまうのだ。
バンドは運動部で言えば、団体種目。1人のミスが全体に響くのだ。みんなが同じところを見ていないと、成し遂げられないのだ。
文化祭までの日が短くなるに連れて、焦りも混ざり、余計にミスが目立ってきた。
「一度、ミーティングをしよう」部長の瞬が提案した。
とても気がかりだった。SNSで
『先生、大丈夫かな……。心配だな……』等の書き込みを数件投稿した。すると梅林から、
『先生のこと、すごく気にしているけど、好きなの?』とメッセージが来た。
『体調悪い人のことを気にかけるのはダメな事なの?』と瑠那は率直な意見を返した。
後日、莉沙や花恋からも同じようなメッセージが送られてきた。
『先輩は、東吾先生のことが好きなんですか?』と。
正直、瑠那の心は揺れていた。体調が悪い時に優しくしてもらっただけなのに、それだけで心が揺れるなんて、自分は単純なのだなと、瑠那は思った。
莉沙には
『どうだろね』と曖昧な返事を返した。
花恋には
『好きかもしれない』と送っておいた。その後も花恋からの質問責めは続いた。最後に、
『私のこと、好きですか?』と送られてきた。
『好きだよ』と素直に返した。
『だけど、付き合うことはできない』と同時に送った。
花恋からは出会ってから何度も告白をされていたが、ずっとはぐらかしてきた。これからもずっと付き合うことはないだろうと思っていた。
*
3年生の7月。太陽がジリジリと肌を焦がすように降り注いでいた。
彩が部活に戻って来た。
前のようなことはなかったが、部活内はギクシャクとした雰囲気になっていた。
梅林とは5月に別れていた。
その後は何も浮いた話はなかった。
花恋が瑠那に想いを寄せていて、瑠那は先生に心を動かされていることは変わりなかった。
彩は夏休み中、一度も顔を出すことはなかった。みんなから不満が滲み出ているのが分かった。
文化祭を最後に3年生は引退をする。
最後の舞台なので、気合が入っているのは分かったのだが、どうも上手くまとまらなかった。
文化祭まで後1週間を切ったにも関わらず、未だに完成した音楽が聴けたことはなかった。誰かが意図的にミスをしているのではなく、ギクシャクとした雰囲気のせいで、完璧に弾いているつもりでも、音を外してしまうのだ。
バンドは運動部で言えば、団体種目。1人のミスが全体に響くのだ。みんなが同じところを見ていないと、成し遂げられないのだ。
文化祭までの日が短くなるに連れて、焦りも混ざり、余計にミスが目立ってきた。
「一度、ミーティングをしよう」部長の瞬が提案した。
