10分くらいで、花恋は身支度を整えて戻って来た。相変わらず支度が早いな、と瑠那は思った。
 瑠那の母が用意していってくれたごはんを2人で食べる。
 昨夜のバーの話や、今日の部活のメンバーと久しぶりに会うという話。他にも共通して好きな本や一部のアニメの話や、全く関係のない話や、お互いの会社の愚痴などを話していた。アニメは瑠那が殆ど知らないため、あまり話はできないが、一部だけ話す事ができる。

 食べ終わり、瑠那は洗い物をする。
 紅茶を淹れて、飲みながら、録画してあった共通して好きなアニメを見ることにした。
 2人で1人の探偵という、ものだった。
1話約30分、2話目を観ている途中に瑠那のスマホに瞬(しゅん)から連絡が来た。瞬は瑠那の家まで迎えに来てくれることになっていた。丁度2話目が観終わった頃、窓の外から車のエンジン音が聞こえた。同時に瞬から
『着いたよ』とメッセージが届いた。
「分かりやすいエンジン音だよね」と2人は笑い合いながら、玄関に向かった。
 車に行くと、久しぶりに会う、瞬と莉沙(りさ)が乗っていた。久しぶりに会ったので、予想通り、みんなのテンションは高かった。車の中で瞬に
「おまえら、うるさい!」と言われるくらいに騒いでいた。

 予約をしているお店に着いた。
 駐車場に車を停め終わり、時間を見るとまだ予約の15分前だった。少し車の中で待機をすることにした。意味の分からない話が繰り広げられる。瞬が頭を抱える程に。すぐに5分前になった。
 瑠那たちは、お店の中へと入っていった。
 お店の中に入ったところで、莉沙たちのテンションは変わらない。
 最初のオーダーで、車を運転しなければいけない瞬以外はみんなアルコールを注文し、同時に食事も注文をした。
 瑠那と花恋はお酒を飲んでも殆ど変わらない。莉沙は今まで以上にハイテンションになる。瑠那は、帰りに送っていく瞬が大変そうだなと思った。
 食事をしながらも、色々な会話をした。よくネタが尽きないなと感心する程に。会話は高校生の時の話になった。
 莉沙が唐突に聞いてきた。
「そういえば、梅林(うめばやし)先輩との話はどうなったのですか?」
 莉沙も1学年下なので、敬語のままだ。
 梅林は、瑠那が高校2年生の秋~3年生の春頃まで付き合っていた、同じ部活の人だった。