その辛さに加えて、近くに居ることで離恋病の症状が進行して2人の境界線がどんどん広がって行く、という現実的な理由から、理夏は実家に戻ることになった。

 幸い、僕に近づくことさえしなければ、理夏の体は全くもって健康そのもので、日常生活はもちろん、仕事も今まで通り問題無く続けられた。

 だとすれば、僕が理夏を幸せにするために出来ることはたったひとつ。
 このまま……彼女と距離をとり続けること。
 もっと言えば、彼女と別れて──。